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「NISA貧乏」という言葉を聞いたことはありますか。

NISAで積み立てを始めたのに、生活費が足りなくなって困っている——そんな状況を指す言葉として、じわじわと広まっています。

投資は長期的な資産形成に有効な手段ですが、始め方を間違えると生活を圧迫する原因になります。


NISA貧乏とはどういう状態か

NISAで毎月一定額を投資に回しているのに、生活費が足りずにカードローンや消費者金融を利用してしまっている状態のことです。NISAの積立を解約したくないために、生活費の不足を借入で補うというパターンが典型的です。

なぜこうなるのかというと、「投資に回しすぎている」という一言に尽きます。


積立額の設定で確認すべきこと

NISAで積み立てる金額を設定する前に、次の手順で必要な手元資金を確認することが重要です。

① 毎月の固定支出と変動支出を把握する

住居費・光熱費・通信費・保険料などの固定支出と、食費・日用品費・交際費などの変動支出を合計します。これが毎月必ず必要な最低ラインです。

② 緊急予備資金を先に確保する

投資を始める前に、生活費の3〜6か月分を現金で持っておくことが基本です。この緊急予備資金は「絶対に使わないお金」として別口座に置きます。急な出費(医療費・車の修理・家電の買い替えなど)が発生したときに、投資を解約せずに対応できるかどうかがポイントです。

③ 残ったお金で積立額を決める

固定支出・変動支出・緊急予備資金の積み立て分を引いた残りが、NISAに回せる金額の上限です。「まずNISAに回してから生活費を考える」という順番にしてしまうことが、NISA貧乏の原因になります。


積立額の見直しは柔軟に行える

NISAの積立額は、いつでも変更・一時停止できます。「一度決めたら変えてはいけない」と思い込んで生活が苦しいのに続けるのは本末転倒です。生活が変わったら積立額を変更することを躊躇う必要はありません。


長期積立の本当の目的を確認する

NISA貧乏に陥る人の多くは「投資をしなければいけない」という義務感で始めてしまっています。しかし投資の本来の目的は、将来の自分の生活をより豊かにすることです。今の生活が苦しくなる投資は、目的に反しています。

まず「今の生活を安定させること」が先決で、その上で余剰資金を長期的に投資に回すという順番が正しいのです。


NISA貧乏を防ぐための実践的な手順

手順1:毎月の収支を正確に把握する

まず「手取り収入から毎月の固定支出・変動支出を引いた後に、いくら残るか」を計算します。この「余り」が投資に回せる最大額です。多くの方は、この余りを計算せずにNISAの積立額を決めているために生活が苦しくなります。

手順2:緊急予備資金(生活費3〜6か月分)を先に確保する

緊急予備資金は「投資とは別の口座」に現金で保管します。この資金があれば、急な出費が発生してもNISAを解約する必要がありません。緊急予備資金が貯まる前は、NISAの積立額を最小限にすることを優先しましょう。

手順3:積立額は「楽に続けられる金額」から始める

最初から高い積立額を設定するよりも、無理なく続けられる少額から始めることが重要です。NISAの積立額はいつでも変更できます。生活が安定してきたタイミングで少しずつ増やしていく方法が、長期的に資産を増やすための最も確実な道です。


投資は「今の生活を苦しめてまでやるべきもの」ではありません。今の生活を守りながら、余裕の範囲で続けることが長期資産形成の本質です。


投資の目的は「資産を増やすこと」ですが、生活の安定を犠牲にしては本末転倒です。NISA残高だけでなく、手元の流動性(生活防衛資金)も定期的に確認しましょう。バランスのとれた資産設計が、長続きする資産形成の土台です。

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投稿者

yamaguchi.kohei99

yamaguchi.kohei99@gmail.com

ファイナンシャルプランニング技能士2級・AFP資格保有。兵庫県在住の2児のパパ。エンジニアとして数字と設計に強く、FPとの2刀流で家族のお金の不安を解決中。兵庫県立大学大学院卒業、国際学会の登壇・論文誌への掲載経験あり(奨学金半額免除)。ライフプラン設計、家計改善、教育関連相談、収入改善相談が得意。

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