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「年収が上がる転職なのに、入社後の手取りが思ったより増えていない」

これ、意外と多い話なんですよね。。

よくあるのが、額面100万円アップの転職先に決まって喜んだのに、いざ入社してみたら手取りの増加は約63万円だったというケースです。
残りの37%は税と社会保険料が吸収してしまうんです。

「年収が上がった=生活が楽になる」とは限らないという話を、今日は具体的な数字で整理してみます。

**💡 額面600万円と700万円の手取り差(概算)**

✔︎ 社会保険料:600万円→約85万円、700万円→約99万円
✔︎ 所得税+住民税:600万円→約77万円、700万円→約100万円
✔︎ 手取り年収:600万円→約438万円、700万円→約501万円

差は約63万円。月にすると5万円ちょっとなんですよね。

「あれ、100万円上がったはずなのに、、」って感じになるのはこのためです。


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**でも、、もっと大きな落とし穴があります。**

手取りの差だけじゃなく、転職で見落としがちなのが「なくなるもの」の計算です。

✔︎ 住宅手当(月1〜5万円)・社宅補助 → 転職先に制度がなければ消滅(年間36万円の実質収入減になることも)
✔︎ 退職金・確定給付型企業年金(DB) → 転職先に制度がなければ、今後の積み立てがゼロになる
✔︎ 社員食堂・社員持株会補助がなくなる
✔︎ 有給・特別休暇が勤続年数リセットで減る

「額面は上がったが、トータルで損している」というケースは少なくないんです。

退職金は転職時に受け取れますが、勤続年数が短いと大幅に減額されるケースが多いんですよね。
たとえば「勤続20年なら1,000万円」の退職金制度でも、10年で辞めると300〜400万円程度にしかならないことがあります。
さらに転職先に退職金制度がなければ、そこから先の積み立てはゼロです。
「今の退職金+転職先での将来の退職金」のトータルで考えないと、見えない損失が膨らんでいくんですよね。

有給休暇も勤続年数でリセットされます。
前職で年20日あった有給が、転職先では10日からスタートということは普通にあります。
この差を時給で換算すると、それだけで年間10〜20万円分の損失になるケースもあります。

**💡 転職年は住民税にも注意**

転職後の住民税は「前年の収入」をもとに計算されます。

退職した翌年6月から住民税の金額が変わるので、転職して年収が下がった場合でも、しばらくは前の収入ベースで住民税がかかります。

これを知らないと、「転職したのに出費が増えた」という感覚になりやすいです。

もうひとつ注意が必要なのが、社会保険の空白期間です。
退職日と入社日に間がある場合、その期間は国民健康保険に加入する必要があります。
手続きを忘れて無保険状態になると、病院にかかったときに全額自己負担になります。

退職後14日以内に国保の手続きをするか、退職から20日以内に前職の健康保険を任意継続するか、どちらかを選ぶ必要があるんです。

**💡 転職前に確認すべきチェックリスト**

✔︎ 額面年収から手取り年収を試算したか
✔︎ 現職の住宅手当・福利厚生の金額を確認したか
✔︎ 退職金・企業年金の扱いを確認したか
✔︎ 固定残業代の時間数と実際の残業時間を比較したか
✔︎ 入社日と退職日の空白期間を把握したか
✔︎ 転職後の住民税(前年収入ベース)を認識しているか

転職を後悔しないために、「見えにくい部分」を数字で確認してから動くのが大事です。

転職は収入を上げるチャンスであると同時に、「見えないコスト」を積み重ねるリスクもあります。
額面の年収だけで判断せず、手取り・福利厚生・退職金・有給・通勤時間のすべてを含めた「トータルの条件」で比較してから動いてください。

転職って、キャリアを前に進めるための大事な選択なんですよね。
だからこそ、「年収が上がるから」だけで決めるんじゃなくて、5年後・10年後の生活全体を見据えた上で判断してほしいと思っています。

「額面600万円→700万円になった」ケースで、実際の手取りがどう変わるかを確認してください。社会保険や所得税の計算を含めると、100万円の差が手取りではずっと小さくなります。

| 項目 | 現職(年収600万円) | 転職後(年収700万円) | 差額 |
|—|—|—|—|
| 額面年収 | 600万円 | 700万円 | +100万円 |
| 所得税・住民税 | 約75万円 | 約98万円 | +23万円 |
| 社会保険料 | 約86万円 | 約100万円 | +14万円 |
| 手取り年収(概算) | 約439万円 | 約502万円 | +63万円 |

「100万円アップ→手取りは63万円アップ(月5.25万円)」が現実です。通勤時間の増加・退職金の減少・試用期間の給与カット——これらを含めて損益分岐点を確認してから動くことが大切です。

## 転職で「損した」と感じないための事前確認リスト

転職を決める前に、以下の点を必ず確認しましょう。

| 確認項目 | 注意点 |
|——–|——–|
| 退職金・企業型DC | 転職で退職金が減額または消滅することがある。確定拠出型の場合は移管手続きが必要 |
| 有給休暇の買い取り | 原則非課税だが、会社によって買い取り制度がない場合もある |
| 試用期間中の社会保険 | 試用期間中でも雇用保険・健康保険は加入義務あり。未加入は違法 |
| 通勤費の差額 | 転職先が遠い場合、交通費の自己負担が増える可能性あり |
| 保険の空白期間 | 退職から転職先の健康保険加入まで日が空く場合は国民健康保険への加入が必要 |

転職のタイミングは年収だけで決めず、「トータルの条件(手当・休暇・社会保険・将来性)」を比較することが重要です。

まずは「5年後・10年後にどんな働き方をしていたいか」「家族の暮らしをどう設計したいか」というところから逆算して、今の転職が本当にその方向に合っているかを考えてみてほしいんですよね。
キャリアの選択は、目の前の年収だけじゃなく、人生全体の設計に関わる話です。
もちろん、状況はどんどん変わっていくものなので、「どう転んでも対応できる家計の余白」を先に作っておく設計をしたいですよね。


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投稿者

yamaguchi.kohei99

yamaguchi.kohei99@gmail.com

ファイナンシャルプランニング技能士2級・AFP資格保有。兵庫県在住の2児のパパ。エンジニアとして数字と設計に強く、FPとの2刀流で家族のお金の不安を解決中。兵庫県立大学大学院卒業、国際学会の登壇・論文誌への掲載経験あり(奨学金半額免除)。ライフプラン設計、家計改善、教育関連相談、収入改善相談が得意。

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